秋の遠足 @上州、両毛の巻 #2
遠足の目的のひとつが建築巡り。四百近い応募作品から選ばれた上州鉄道の上州富岡駅舎を出ると見えてくるのがまだ未完の富岡市役所。駅舎は若い二人の建築家・TNAの作品、市役所は設計提案方式の競技で最優秀になった隈研吾設計事務所の作品。まずは駅舎を拝見、限られた予算だったであろうなか、大きな屋根の下に公共の空間と駅舎を配置した爽やかな建築。駅舎を出るとレンガと大谷石の倉庫前広場で「つきいちマルシェ」が開かれ、お目当てのカレー屋さんとカフェ、上州で活躍しているお店が出店していて地元のおしゃれな人たちで賑わっていた。地元の人たちとゆったりとお昼を食べて片品村のセトヤマミチコさんがつくった三年味噌を、「おかって市場」で上州特産の味噌こんにゃくを買う。富岡製糸場が世界遺産になったとはいえ、さびれてしまった商店街で名物のホルモン揚げを食べる、何のことはない竹輪揚げだ。ホルモンと竹輪の形が似ているからと庶民のおやつなのだ。だが、そんな町にイカした駅舎と隈さんが設計した市庁舎が出来るとは群馬県民の心意気を賞賛したい。群馬にはいい建築、著名な建築家が設計した素敵な建物が沢山ある。鎌倉にはボクの師でもある武基雄先生の商工会議所と閉館になった神奈川立近代美術館、神社仏閣しかない、情けない。なんども訪ねている上州がも〜っと好きになって帰ってきたのである。つづく。
上州富岡駅 http://www.g-mark.org/award/describe/41666
- 2017.09.12