森ヒロシ建築設計所

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シゴトworks

家族みんなの居場所がある家

 逗子の桜並木がきれいな分譲地に建てた住宅です。区画が広いこともあり周辺の家は大きなものばかりの中、若い5人家族のために建坪17坪弱のコンパクトな家を設計しました。この頃、設計で心がけていることはワンルーム風な間取りではなく、家族それぞれの居場所が出来るように心地よいサイズの部屋を引き戸や小窓で閉じたりつないだりしながら組み立てています。1人になりたい時は引き戸や小窓を閉めることで自分だけの空間にすることができます。この家も家族5人が1人になれるように寝室や子供部屋以外にそれぞれの居場所をあります。子供部屋は寝るだけのスペース+ロフト、勉強は3畳ある共用の書斎をつくり両面に本棚、プリンターも収まる収納、そしてリビングとの間に小窓を付けました。このコンパクトな家には家族の居場所の他に自転車やサーフボードが入る3畳の外物置、2.5畳の納戸、3.5畳のクローゼット、押入、2.5畳の食品庫、階段下の物入れと十分すぎる収納があります。

小さい家ながらも10年、20年後と暮らし方が変化していっても、家族5人それぞれの居場所があることで快適に暮らし続けることができる家になりました。


南からの外観

天井高さ1.4mのロフト部分は高さを低くするために平らに、リビング部分は切妻屋根にしました。バルコニーの手すりは前の家が見えず空だけ見えるように高さを調整してつくりました。


北の道路側の外観

出窓のところはダイニング、窓の障子から家族の暖かい暮らしが伝わるように位置を決めました。


2階のリビング

南のバルコニーに出る木製の窓は全開になります。バルコニーの手すりは近隣の家が見えない高さに調整しています。


左(北側)がダイニングルーム、右(南側)がキッチン・リビングルーム。


北のダイニングルーム

障子の下に玄関がありこの窓から暖かい明かりが道路を照らします。
南北に風が通り、ダイニングテーブルに座ると気持ちいい風を感じられます。


左の戸袋から間仕切り扉が出てきます!
鴨居はスチールの棒で吊り、上部はオープンになっています。


戸袋から4枚の引き戸が出てきてリビングとダイニングを仕切ることができます。
ダイニングで勉強をするとき、1人DVDを楽しむとき、両親が来たときに居場所が一部屋増えるように考えました。


左がリビングルーム、テレビの左に家族の書斎とつながる小さな小窓。右がダイニングルーム。


引き戸を仕舞ってリビングとダイニングをワンルームにしたようす。


造り付けのキッチン

キッチンを一段下げることでリビング側から普通の高さの椅子で座れるようにしています。


赤い袋のところには精米器とコンセント、その上はオーブントースター、その手前はご飯を炊く土鍋を収納するスペース。バルもニーには自家製の干物が吊られています。


何でも収まる食品庫兼奥さん専用の書斎

1.65m幅のカウンターを造り付けました。
料理が上手な奥さんの隠れ家基地です。


リビングルームの裏にある家族の書斎

引き戸で個室にもなり床暖房されています。


正面はロフト付きの子供室、二部屋にパネルで分けられるように入り口の引き戸は二つ。エアコンは仕切るパネルの真ん中につけて一台二役。


子供室のロフト

風が通り抜けるように南北に同じ形の高窓を付けました。落下防止のために白いネットを結束バンドで取り付けています。


1階の玄関と階段

階段から差す光を呼び込むために境をポリカーボネート板で仕切り、風が通るように半分は引き戸になっています。


この窓の光が玄関を明るくしてくれます。
階段の真ん中の壁を薄くつくり有効幅を広めにしました。手すりはスチール製で1階から途切れることなく2階までつながります。


階段を見下げたようす

階段の蹴上げ高さを低めにして上り下りを楽にしています。玄関との境を透明にすることで狭さを感じなくなりました。

お風呂ののこり湯を洗濯に使う建て主さんが多いですね。ならば洗濯機置き場からホースを通す専用の小窓があると便利でしょ、ってタイル一枚分を開けて裏にはちゃんと木の蓋も付けました。プランニングの段階で浴室と洗濯機の位置、浴槽の向き、脱衣室の扉位置を考えておかないとダメ。洗面室兼脱衣室に洗濯機を置くとは限らないし、洗面室にあらわしで洗濯機を置くのもヤボ。ただ穴を開ければ出来る訳ではないのです、タイル割りもバッチリです!


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