森ヒロシ建築設計所

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ブログblog

陰影礼賛のある家づくり #1

谷崎潤一郎が陰翳礼讃を発表したのは昭和8年、ボクの祖父母の時代で純日本風の平屋、部屋の中は茶箪笥と折りたためるちゃぶ台、そして薪で焚く五右衛門風呂、庭には竹が生えていて金柑や柿、夏みかんがある暮らしでした。写真は河井寛次郎記念館の二階、昼間は障子を開けて十分に明るく風が通っていた、はずである。夜はどうだっただろうか、まさか行燈ではなかったでしょうが蛍光灯はなかったから薄暗かったに違いない。谷崎潤一郎に言われなくとも「日本人は陰翳の濃淡を利用し、その美を考慮に入れ建築設計していた。」はずだ。こんなことも言っている、「壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押しこめ、無用の室内装飾を剥ぎ取り、試しに電灯を消したそんな家(文学)が一軒くらいあってもよかろうと「私」は思う。」ボクもそう思って設計しているのでやっぱりニッポン人なのだな。

谷崎潤一郎著:「陰翳礼讃」から引用。


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